その場所を支配するトーナル・モーダル・コーダルな音場

その場所を支配する音場

トーナルな音場

調性音楽におけるようなドミナント--トニックの和音連結 (e.g. C Durにおける G7--C) が構成されているとき, その場所では調性的な音使いをするのが自然であるように感じられるであろう. 逆に言えば調性音楽的な (i.e. トーナルな) 支配下であるからこそ, ドミナント--トニックの和音連結が自然と構築されている, というように見ることができよう. このように支配しようとする場をここでは音場と呼ぶことにする. そして上に述べたような音場をトーナル (tonal) な音場と呼ぶことにする.

コーダルな音場

半音階的な手法が導入されると, 上記のようなトーナルな支配が弱められることが往々にして起こる. そこでは直接的なドミナント--トニックの和音連結が排除されるばかりではなく, 調性的関係の弱い和音連結が続けられることもしばしばである. このような場はトーナルな音場のように調性によって支配されると言うよりも, 和音同士の関係性によって支配されているといえるだろう. このような場をコーダル (chordal) な音場と呼ぶことにする.

モーダルな音場

旋法的な手法ではトーナルな支配からは袂を分かつことになる. その代わりに拠り所とするのは旋法的な支配である. このような場では局所的な和音の如何によらず, 旋法に支配され続けることが多い. このような場をモーダル (modal) な音場と呼ぶことにする.

注: 用語法の是非について

あくまでも仮に呼ぶこととしただけなので, 他の人に通じるとは限らない.